われわれの認識は、結局はその時々の関心に大きく左右されるのであるが、それゆえに、その関心が何であるかを冷静に認識する必要がある。もちろん、雇用システムあるいは一般に経済システムに対する関心である以上、経済的成果に対する関心が支配することは間違いない。しかし、経済的成果を上げうるシステムは、決して単一のものではない。日本型と呼ばれるシステムがこれまでに変化し、現在さらに変化しつつあるように、アメリカ型と呼ばれるシステムも、変化を繰り返してきたのであり、理解すべきは、それぞれのシステムの変動であり、そのことの意味である。
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それは市場型とかアメリカ型とかと一括りにされるものではありえない。このように議論を進めるためにも、アメリカ型と呼ばれる雇用システムとの冷静な比較が必要である。いやそのためには、ドイツ型やイギリス型との比較が必要である。なぜなら、二つの間の比較だけであれば、類似であれ相違であれ、そのことだけが強調されがちとなる。しかし、それぞれのシステムはある面では類似し、別の面では相違するという意味で多様なものとして理解されるのであり、このような認識のためには、二つの間の比較ではなく、それとは異なる第三あるいは第四のシステムとの比較を必要とする。これによって自他のシステムを相対化でき、相互に照らし合せることにより、自己のシステムの理解もまた深まるというものである。